『三島由紀夫論』上総英郎著

〈この論考は文学論であり、作品論である。三島由紀夫という作家の作品それ自体だけを考究の目的としておく〉〈文学の純粋ジャンルをここで相手にしてみよう。目前のテキストがあればそれでいいのだ〉〈この作家は、文学を芸術として考えるとき、いつも先方においてブリリアントの輝いていた〉三島由紀夫と文学について語り合い、作品を追いかけるように読んできた著者による〈後にひけない試論〉としての三島由紀夫論。
ここでは、初期作品に始まり、『仮面の告白』『禁色』『愛の渇き』『金閣寺』『鏡子の家』などを中心に、三島独特の宇宙観と美意識、死への欲求、エロスのせめぎあい、俗世への挑戦状、反自然、反日常の美学、羞恥と宿命、作家と仮面、挫折と青春、芸術志向と権力志向といった要素を読み取り、政治的次元や実人生の有様とは無縁の次元で、徹底して作品に向き合い、作家・三島由紀夫の本質を導き出す。

「出版ニュース」200511月上旬号

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