『遠藤周作へのワールド・トリップ』 上総英郎著

〈彼ほどに小説家であることに徹し、彼ほどにキリスト教徒として己が道を通した人は稀であろうとさえ思う〉〈今にして思うのは、遠藤氏が人生を深く愛している人であったことである〉著者は文芸評論家として遠藤文学に出会う。本書は、キリスト教文学の視点から読む遠藤作品の解説を通してその神髄を語り、さらにキリスト教徒としての作家・遠藤周作の魅力を語ったものである。特に、遠藤文学を代表する「沈黙」については、その本質に迫るとともに作品の弱点、急所も明らかにするのだが、その後の著者と遠藤氏との対面の場面が読ませる。さらに遠藤文学に流れる神と信仰の問題を、諸作品に沿って展開。作家への熱い思いあふれる評論集だ。

「出版ニュース」2005年7月上旬号

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